先日、顧問先より会社組織の再編の相談を受けまして、取締役の解任要件をどのようにするかを代表取締役と検討したことがありました。
この点、数年前の会社法の改正により、原則として取締役を解任するには過半数の決議で足りるとされ、定款で要件を加重することもできるとされました(会社 法339条・341条)。
これは過半数の株主の支持を失った取締役の処遇について、株主の意向をより反映させやすくすることが望ましいと考えられたためです。
これまでは特別決議でなければ取締役は解任されなかったのに対して、過半数でも解任できることでより株主の意思を反映させやすくなったと言えます。
また、上記趣旨に沿った形で、少数株主の意思をより反映させるべく、累積投票 によって選任された取締役の解任要件については、従前通り特別決議が必要とされていることには注意が必要です(会社法309条等)。
更に言えば、監査役については、取締役と異なり、より高い独立性を確保する観 点から(取締役の業務執行を監視する役割もあります)、これまで通り解任するには特別決議が必要とされています。
上記のような趣旨等を勘案しながら、顧問先の会社組織をより適切な方向へ再編 できるよう協議できましたので、会社組織の再編時には、上記条文等を意識しながら手続を進められることをお勧め致します。
取締役解任の加重要件