先日、顧問先より、「インターネット上に当社の商品と形状・機能がよく似た商品が売られていますが、何か法的な対抗措置はありませんか。」と相談がありました。
また、他の顧問先より、「当社の提供するサービスと酷似した名前を他の会社が使っていますが、どうすればよいでしょうか。」と同じような相談がありました。
インターネット社会によって、他社が提供する商品・サービスについて、容易に情報を入手できるようになりました。
また、コピー商品についても、ウェブ上で容易に頒布・宣伝できるようになり、オリジナル商品の売上が多大な影響を受けてしまうこともあります。
そもそも商品やサービスについて、特許・実用新案・意匠・商標等の権利を登録により発生させ、独占権を有していれば、同権利に基づいて、コピーブランドに対して法的措置を取ることが可能です。
しかし、商品・サービス等に関して、特許権や意匠権、商標権等を登録していないことも多く、その場合には同権利に基づく法的措置はできません。
その場合には、類似商品・サービスへの対抗措置として、不正競争防止法を利用できないか検討することが有用と言えるでしょう。
不正競争防止法とは、ある商品の名前や形状と同一または類似する名前や形状の商品を提供すること等を「不正競争」として規制する法律で、公正な市場競争を促進することを目的とする法律です。
上記顧問先の相談についても、「形状・機能が非常によく似た」り、「サービス名が酷似」していますので、不正競争防止法の適用を検討すべきでしょう。
そして、同法上の「不正競争」に該当する場合は、損害賠償の請求に加えて、商品・サービスの提供差止めまで請求することができます。
不正競争防止法はその適用範囲が広いため、自社商品・サービスの提供が妨害されている場合、同法に基づく請求も念頭に置くことが有用です。
また、仮に「不正競争」に該当しなくも、営業妨害が不法行為を構成するとして、民法上の損害賠償請求が認められる余地があることにも注意が必要です。