今回は、「職場におけるセクハラ」です。
先日、弁護士ドットコムより依頼を受けまして、「職場におけるえこひいきや環境型セクハラ」についてウェブ上でコメントしました。
上司が部下の新入社員と恋愛して「えこひいき」、配置転換や降格を人事に要求したい!
同URLでは紙幅の都合上、職場のセクハラの骨子の説明にとどめましたが、会社としてはセクハラが起こらないように、職場環境を整備する必要があります。
セクハラは、わいせつ行為と評価されるような身体的接触を伴うものから、一見セクハラであるかの判断に迷うような性別に着目した発言まで、その種類は多岐に渡ります。
今回は、上記記事でも紹介した身体的接触を伴わないパターンのセクハラとして、「環境型セクハラ」についてより詳しく説明します。
環境型セクハラとは、「職場において行われる労働者の意に反する性的な言動により、労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じる等、当該労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること」を指します。
具体例としては、
・同僚が取引先において、労働者にかかる性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、当該労働者が苦痛を感じて仕事が手につかないこと
・労働者が抗議しているにも関わらず、事務所内にヌードポスターを掲示しているため、当該労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと」
等が挙げられています。
上記具体例で挙げた「性的な発言」だけではなく、性別に着目した発言についても要注意といえるでしょう。
例えば、女性という性別に着目し、年齢、結婚等の話題を積極的にすることも、女性の就業意欲の減退を招く可能性があり、環境型セクハラに該当する可能性があります。
また上記環境型セクハラの定義は男女の区別をしておらず、男性に対するセクハラも成立する点にも注意が必要です。
以上の通り、会社においては、各従業員に対して、いわゆる性的な発言だけでなく、性別・性差に着目した発言にも十分に注意させる必要があります。
顧問先会社において、社内コンプライアンス研修の一環として、セクハラ・パワハラ等の講義をさせて頂くことも多いので、必要がありましたら遠慮なく仰って下さい。