新型コロナウイルスの影響も徐々に収束に向かいつつあるものの、顧問先におかれましても、同問題に起因した様々な法的問題に直面されているようです。
そこで今回は、雇用確保のために最大限の経営努力をしつつも、やむを得ず契約社員やパート、アルバイトの方々との今後の雇用関係をどうするか検討しなければならないケースにおいて、幾つか注意点を説明させて頂きます。
まず「雇止め」についてですが、有期契約において雇用主が従業員の契約を更新しない判断をすれば、法的には契約満了として「雇止め」できることが原則なはずです。
しかし、労働契約法19条の通り、①無期契約における解雇と同視できる場合(契約更新が何度も繰り返されている等)や、②契約更新につき合理的な期待がある場合には、解雇濫用法理と同様の厳しい基準に基づいて、雇止めが制限されていることに注意が必要です。
また、非正規従業員の方々との契約期間中であっても、解雇を検討せざるを得ない場合も出てくるかもしれませんが、その場合には「やむを得ない事由」が必要とされています(労働契約法17条1項)。
この「やむを得ない事由」とは、期間満了を待てないほどの事情が存するという点で、無期契約における解雇要件よりもさらに厳格に解釈されている点にご注意下さい。
以上の通り、非正規従業員の方々の契約関係についても様々な法的問題点がありますので、会社経営にあたって対応する際には慎重な対応が必要であることに十分にご注意下さい。
新型コロナウイルスと非正規雇用