先日、弁護士ドットコムより依頼を受け、
「育児休業中に研修を強制したり自宅作業(課題)させたりするのは違法ではないのでしょうか。
私は研修や課題を拒否する事はできないのでしょうか。」
等について、ウェブ上でコメントさせて頂きました。
https://www.bengo4.com/c_5/n_14757/
上記の対応について、皆様のご参考になる部分もあるかもしれませんので、同コメントを引用抜粋させて頂きます。
まず、育児休業の申出・取得等に対する解雇や不利益取扱いは法律で禁止されていますし、そもそも育児休業は法的に認められた「休業」ですから、就労することは基本的に想定されていません。
そのため、会社から、育児休業中の勤務や研修等を強制された場合には、それを拒めることが大原則と言えます。
その意味で、会社は労働者の意思に反して、就労や研修をさせることはできないと考えられます。
今回の相談者が真に同意していないことは明らかと思われますので、基本的には会社が労働者に強制することは認められないでしょう。
ただし、労働者が「真に同意」した場合においては、会社からの働きかけに基づいて一時的に就労等をすることも可能と考えられています。
例えば、一時的・臨時的な業務(専門技術がないと対応できない一時的なトラブル対応等)が発生し、その業務依頼の必要性が高く、勤務先の真摯な要請を受けて、労働者が真に同意した場合などです。
とはいえ、上記の視点から考えても、今回のケースの研修や課題は一時的なものとはいえ、緊急性に乏しいと思われますし、任意参加ではなく会社の命令に基づく強制という要素が強ければ、労働者の真の同意がなければ認められないと考えられます。
会社の立場から考えますと、労働者の真の同意がなければ労働させることはできず、たとえ同意があったとしても、緊急性の乏しい一般的な業務について業務させることはリスクが伴う点に注意すべきといえそうです。
以上の通りですので、皆様のご参考になりましたら幸いです。