先日、顧問会社より「依頼を受けたホームページの制作・保守業務に関して、更に下請会社へ委託していますが、仮に委託先のミスで個人情報が漏洩してしまったとしても、当社も責任を負わなければならないのでしょうか。」との質問がありました。
ある裁判例によれば、「ウェブサイトの具体的内容を自ら決定し・・・、セキュリティ等を含めてその動作を自ら確認し・・・、受託会社から随時運用に関する報告を受け、障害や不具合が発生したときは原因や対応等について受託会社と協議している・・・等からすれば、委託会社は受託会社を実質的に指揮・監督していたと評価すべき」と判示されています(東京地方裁判所・平成19年8月28日)。
上記裁判例を参考にすれば、ホームページの保守業務に関する具体的な指示を行ったり、詳細な報告を受けたりしている場合には、委託会社は受託会社の過誤についても同様に責任を負わなければならない可能性があることに注意が必要です。
他方、上記裁判例は、漏洩した個人情報が美容関連の秘密性の高い情報であったため、より厳しい判断がされやすかったことにも注視しておく必要もございます。
従いまして、委託会社としては、受託会社に個人情報を厳重に管理させるべきことは言うまでもありませんが、秘密性の程度によっては受託会社との関係性等を十分に考慮した管理体制を取っておくことに十分に留意されることをお勧め致します。
業務委託先の管理責任