従業員が、退職後に競業関係にある会社へ転職してしまう場合がございます。
当該従業員が会社の営業上の秘密を知り得る立場にあった場合は、会社の権利が不当に侵害されることが懸念されます。
そこで、こうした事態を未然に防止する方法として、労働契約に特約を設け、退職後も一定期間競業避止義務を負わせる方法があります。
この特約の内容は、従業員の権利を不当に制限しない場合に限り有効と判断されています(最高裁昭和44年10月7日)。
当該特約の有効性は、従業員の地位、目的、 競業制限の対象職種・期間・地域との兼ね合い、 代償の提供等を総合考慮して判断されます。
特に、就業禁止期間を長期間とする特約については、 無効と判断される可能性が高くなりますので注意が必要です。
退職従業員に対する競業避止義務