顧問先から「事業承継」に関する相談を受けることも多くなってきました。 その中で、「黄金株」についての相談も多くあります。 まず、黄金株といっても、そのような名称の株式は会社法上には存在しません。 正式には、拒否権付種類株
会社は誰の物か?
今回は、「会社は誰の物か?」についてです。 先日、弁護士ドットコムより依頼を受け、稲盛和夫氏の「株主よりも従業員が一番」という考えは、会社法とは矛盾しませんかという説明を求められました。 具体的には、稲盛氏がある記事にお
自転車事故と会社経営
東日本大震災以降、都心部を中心に自転車通勤する人が増えており、顧問先より、通勤途中に従業員が交通事故の加害者又は被害者となってしまった場合の会社としての対応及び責任について質問がありました。 法的問題点は多岐に渡りますが
企業年金基金
AIJの問題等でクローズアップされることが多いのですが、顧問先の一部上場企業の企業年金基金より、事実婚配偶者の認定について相談を受けていました。 企業年金基金の業務としては、年金の運用というメインの業務以外にも、遺族一時
取締役解任の加重要件
先日、顧問先より会社組織の再編の相談を受けまして、取締役の解任要件をどのようにするかを代表取締役と検討したことがありました。 この点、数年前の会社法の改正により、原則として取締役を解任するには過半数の決議で足りるとされ、
名ばかり管理職
先日、顧問先から「管理監督者に該当するか否か(具体的には残業代支払の必要性) の判断基準を教えて下さい。」との質問がありました。 近時話題になった大手小売企業の店長に対する判決を踏まえたご質問でした。 そもそも労働基準法
独占禁止法の改正
平成21年6月に「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。 かかる独占禁止法改正法の施行は平成22年1月を予定されていますが、一部については平成21年7月から既に施行されていま
下請法による企業間取引の適正化
企業間の取引において、いわゆる「下請法」が規定する「親事業者と下請業者の要件」に該当する場合があります。 その場合、親事業者より下請業者に対して不利益取引を強要されるケースがございます。 この点、公正取引委員会のホームペ
執行役と執行役員の異同
先日、顧問会社から能力のある従業員のポストを引き上げるに当たって、執行役と執行役員とで法的な違いはあるのでしょうかとの質問を受けました。 用語としては非常に似ていますが、法的概念としては異なるものですので、今回は両者の違
取締役等の法定員数欠員時の対応
取締役が突然辞任するなど、法律又は定款で定められた役員数を欠ことになる場合があります。 そのような場合、辞任した取締役がいなければ、会社としての様々な決議等は全くできなくなってしまうのでしょうか。 この点、任期の満了又は
株式買取請求権
事業譲渡や合併等、株主総会の特別決議が必要な組織再編が生じた場合、議決権の有無に関わらず、反対株主には株式買取請求権が認められます(会社法469、785条 等)。 そして、会社は株式を「公正な価格」で買い取る義務を負うこ
株券不発行と定款変更
新会社法の施行により株券不発行が原則となりました。 しかし、今まで株券を発行していた会社については、登記官の職権により「株券発行会社」と登記されています。 そのため、株券不発行会社とするには、下記の通り、法律に則った手続
株券電子化と質権設定
株券電子化に伴う法的問題として質権設定がございます。 特に株券を相手方に渡す方法で質権を設定している場合(略式質)、株主名簿に権利関係が登録されていません。 そのため、担保として管理していた株券の担保価値を実質的に失う可
現物出資手続
会社法の改正により、会社設立時の最低資本金規定が廃止され、現在では、資本金1円で会社を設立することが可能です。 しかし、資本金1円では、取引先の信用を得られないこと等を懸念し、旧商法下の最低資本金額1000万円の出資を検
会社分割制度のメリット
平成12年の商法改正により導入された会社の組織再編の一方法に会社分割がございます。 新会社法の施行により一部変更はございましたが、基本的な構造は同様です。 会社分割には、新設分割と吸収分割の二通りの形態があります。 新設
10、合併契約の有効性
会社の合併には、合併により消滅する会社の権利義務の全部を、合併後存続する会社に承継させる吸収合併と合併により消滅する会社の権利義務の全部を合併により設立する会社に承継させる新設合併がございます(会社法2条27・28)。
9、株券不発行の原則
新会社法で、株券を発行する旨を定款で定めることができると規定されました(会社法214条)。 このように、株券の不発行が原則となったことに加えて、株券発行にはコストが掛かるため、今後は株券不発行会社の増加が予想されます。
8、ストックオプション制度
新株予約権(会社法2条21・236条)の活用方法として、ストックオプション制度がございます。 具体的には、企業が新株予約権を従業員や役員に対して労務提供の対価として付与することを言います。 従業員や役員は、時価とは関係な
5、取締役解任決議の要件
株主であることと取締役であることは会社との関係では法的には極めて差異がございます。 株主としての地位を会社から剥奪されることは原則として考えられませんが、取締役としての地位は株主総会決議によって解任されてしまうことが十分