先日、顧問先より会社組織の再編の相談を受けまして、取締役の解任要件をどのようにするかを代表取締役と検討したことがありました。 この点、数年前の会社法の改正により、原則として取締役を解任するには過半数の決議で足りるとされ、
契約書以外の書面の重要性
企業間同士のやり取りにおいて、契約書が重要な役割を果たすことは間違いありませんが、担当者のサインであったとしても重要な証拠になり得ることがあります。 例えば、プログラム製作・広告・建築請負など、当初の合意時点では完成態様
在宅勤務等に関する残業代
震災によるリスクをできる限り分散すべく在宅勤務制度などを導入する企業が増えています。 その影響もあって、各顧問先より「残業代制度」等に関するご相談を受けることが多くなっています。 同制度を整備するに当たって多くの法的検討
変形労働時間と節電
労働基準法において、原則として「週40時間及び1日8時間以内」という労働時間制限がある一方で、時期によって繁閑のある企業のために「変形労働時間制」も認められています。 同制度を利用した場合には、実務上期間中の変更が認めら
地震(計画停電)に伴う休業に関する厚労省通達
このたびの大震災で被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。 今後大震災に関する様々な問題について、法的な面からできる限りのサポートをさせて頂きたいと思っております。 まず現在も行われている計画停電における「労働基
業務委託先の管理責任
先日、顧問会社より「依頼を受けたホームページの制作・保守業務に関して、更に下請会社へ委託していますが、仮に委託先のミスで個人情報が漏洩してしまったとしても、当社も責任を負わなければならないのでしょうか。」との質問がありま
二重懲戒処分の禁止
先日、顧問先会社より「仮に従業員が就業規則に違反した場合に、減給処分に加えて、解雇等の処分も二重に行うことは可能でしょうか。」という質問がありました。 この点、幾つかの裁判例からすれば、「懲戒処分は、使用者が労働者のした
社内機密情報の管理
尖閣諸島に関する情報漏洩が大きな問題となりましたが、同事件に関連して、顧問先より「会社の機密情報について、どのような管理体制をしておくべきでしょうか。」というご相談がありました。 まず、不正競争防止法等に規定されている「
契約書の法的チェック
最近は契約書の重要性が広く周知されてきたようで、取引を開始するにあたって、契約書を交わすことはもちろん、双方が契約書の条項を事前にチェックすることで、後日の紛争を防止しようとする企業が増加していることを感じています。 当
コンプライアンス・内部統制
先日、中央大学大学院のMBA特別講座にて、コンプライアンス・内部統制に関する理解を深める機会がありました。 特に教授から名古屋高等裁判所金沢支部の裁判例を紹介され、「裁判所としては、取締役の監督義務違反に基づく任務懈怠よ
民事再生手続の実務上の注意点
先日、顧問先より「取引先が民事再生を申し立てましたが、手続にスポンサーとして関与することも検討しています。 法的な民事再生の細かな手続ではなく、実際にスポンサーになった場合の具体的な法的注意点等がありましたら教えて下さい
企業実務1月号への掲載
日本実業出版社の「企業実務」2010年1月号に「下請法の基礎知識」と題して、当職のアドバイスが掲載されています。 内容としては、下請法の基本的な概要を中心として、親事業者及び下請業者として把握しておくべき事項を説明してい
名ばかり管理職
先日、顧問先から「管理監督者に該当するか否か(具体的には残業代支払の必要性) の判断基準を教えて下さい。」との質問がありました。 近時話題になった大手小売企業の店長に対する判決を踏まえたご質問でした。 そもそも労働基準法
日経産業新聞の取材掲載(改正独占禁止法)
この度、日経産業新聞より「改正独占禁止法」に関する取材を受けまして、平成21年12月4日付「日経産業新聞」において、当職のアドバイスが掲載されています。 内容としては、平成22年1月から施行される改正独占禁止法において罰
商事留置権及び民事留置権の異同
企業間の取引において、一時的であったとしても倉庫契約など「他社が自社の商品を占有している状態」に置かれることがあります。 そのような場合には留置権が多く問題になりますが、商事留置権や民事留置権など成立要件が異なる法的概念
独占禁止法の改正
平成21年6月に「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律」が公布されました。 かかる独占禁止法改正法の施行は平成22年1月を予定されていますが、一部については平成21年7月から既に施行されていま
就業規則の作成及び変更
先日顧問先から、「従業員が10人を超えることになりましたので、就業規則を作成するに当たって注意事項等があれば教えて下さい。」という依頼を受けました。 この点、就業規則を作成及び変更する場合、以下の手続要件と実体要件に留意
東京ミッドタウンでの企業予防策に関する講演
株式会社ワークスアプリケーションズが主催されて、平成21年9月10日~11日の2日間 に渡り、「COMPANY FORUM 2009」が開催されます。 上記フォーラムにおいては、大前研一氏や出井伸之氏が企業経営に関する基
下請法による企業間取引の適正化
企業間の取引において、いわゆる「下請法」が規定する「親事業者と下請業者の要件」に該当する場合があります。 その場合、親事業者より下請業者に対して不利益取引を強要されるケースがございます。 この点、公正取引委員会のホームペ
特定商取引に関する法律の改正
平成20年6月18日付にて経済産業省において、「特定商取引の一部を改正する法律」が公布されています。 施行日は公布日から起算して1年6ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日とされていますので、平成21年末までには施行
執行役と執行役員の異同
先日、顧問会社から能力のある従業員のポストを引き上げるに当たって、執行役と執行役員とで法的な違いはあるのでしょうかとの質問を受けました。 用語としては非常に似ていますが、法的概念としては異なるものですので、今回は両者の違
板橋区での顧問弁護士に関する講演
この度、板橋区立企業活性化センターより依頼を受けまして、「中小企業・ベン チャーと顧問弁護士の関わり方」という内容で講演をすることになりました。 当日はできる限り出席者の方とコミュニケーションを取りながら、会社経営の際に
取締役等の法定員数欠員時の対応
取締役が突然辞任するなど、法律又は定款で定められた役員数を欠ことになる場合があります。 そのような場合、辞任した取締役がいなければ、会社としての様々な決議等は全くできなくなってしまうのでしょうか。 この点、任期の満了又は
動産の先取特権
そのような場合に備えて何らかの担保を条件とする場合もありますが、全ての契約において担保を要求できるわけではありません。 この点、動産売買契約により売掛債権を有している場合など、民法311条に該当する場合には先取特権が生じ
売掛債権の仮差押の裁判管轄
先日、顧問先の会社から、取引先からの支払いが滞っているため、債権を保全するためのアドバイスを求められました。 状況を確認したところ、取引先の売掛債権を早急に仮差押すべきという状況でした。 仮差押手続をする際には、銀行口座
中小企業の事業承継の円滑化
中小企業の場合、事業承継を円滑に進めるためには、経営者が保有する株式等の事業用資産を後継者に集中的に取得させることが重要事項の一つであると考えられています。 しかし、オーナー経営者の個人資産の大部分が自社株式等の事業用資
営業機密指針の見直し
不正競争防止法では、営業秘密の不正取得・不正使用・不正開示行為等を不正競争行為と規定し、同行為を制限しています。 この点、営業秘密の範囲については、経済産業省の「営業秘密管理指針」にて定義され、 (1)秘密として管理され
事業用借地権の改正
平成20年1月1日より、改正借地借家法が施行されました。 従前の法律では、事業用借地権を20年以上設定することができず、土地を保有せずに業務施設を確保する手法として、事業用借地権の活用を望む企業から存続期間延長を求める声
取締役の競業避止義務
取締役は、自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をしようとするとき、当該取引につき重要な事実を開示して、株主総会の承認を受けなければならないとされています(会社法356条1項1号)。 同条の趣旨は、取締役が
消費生活用製品安全法の改正
以前、当職が日本経済新聞の質問に対して、生活用製品の長期使用により重大事故が起きた場合、企業の社会的責任は別として法的責任を問われにくいと説明したことがありました。 上記問題点に対応して、平成19年11月21日、改正消費